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日々成し遂げたこと、考えたことの整理

コーヒーが好きなら焙煎機を買うべき

もしもあなたがコーヒーが好きで1日2杯以上飲みたいならば、焙煎機を買うべきという話

私はコーヒーが好きです。

私は一般的には珈琲マニアの属性に位置づけられる。マニアの定義は曖昧なので具体的に経験・能力と持っている器具を挙げてみる。

  • 焙煎歴を毎週、18年間行っている(フライパン、銀杏炒り、焙煎機)
  • 焙煎前の豆(生豆)が自宅に10Kg保存されている。
  • UCCコーヒープロフェッショナルを持っている。
  • エスプレッソ用の業務用グラインダーと、手動エスプレッソマシンのPavoniを持っている。(先日。売却)
  • ラテアートを描くことができる。
  • 全自動エスプレッソマシンを持っている。
  • ドリップ用のミルはナイスカットミル

ただ、コーヒーはあくまでも日常です。「休日の時間が取れるときに、手挽きミルで最高の一杯を愉しむ」みたいな意識の高い話ではないです。 合理的に、おいしいコーヒーを手軽にかつお値打ちに楽しむ方法を追求するためのポイントを整理することが今回の目的です。

最小コストで最高のコーヒーを飲むための優先順位

ドリップコーヒーに絞ることをお勧めする。 エスプレッソはあきらめること。サイフォンやパーコレーター、カフェプレスなどは論外。

エスプレッソ&カプチーノはプロに任せるべし。

エスプレッソはおしゃれな反面、非常に危険な飲み物です。普通のエスプレッソを飲むためのハードルが非常に高い。 エスプレッソだけで満足できず、カプチーノも作りたくなると思うので、その前提で記載してみてみる。

  • 豆:新鮮・深煎りで、できたらロブスタ種がブレンドされていること
  • エスプレッソ専用のグラインダー:細かく、均一に弾けることが必須。セミコマーシャルでないと厳しいか。
  • エスプレッソマシン:抽出圧力とスチームが安定しているもの。5万円以上必要
  • タンパー(粉を固める道具)、ミルクジャグなど、周辺機器も必要
  • ミルクをクリーミーに泡立てる技術

などなど、趣味性は高いが非常にコストパフォーマンスが悪い どうしても飲みたい人は、エスプレッソならばネスプレッソを、カプチーノならばラヴァッツァなどのイタリア系カフェに行くことをおすすめする。 200万のエスプレッソマシンと、数十万のグラインダーと、バリスタの腕が発揮された飲み物が数百円で飲めるのだから、非常にコストパフォーマンスがいいです。

その他の除外すべき選択肢

コーヒーの淹れ方は様々でそれぞれが優位性を主張しているが、あまり真剣に向き合わないほうが良いと思う。プラシーボも多いです。 淹れ方自体に興味があれば試せばよいが、ここでは「コーヒーを飲むという行為を合理化する」ことが目的なので以下の選択肢は除外される。

  • サイフォン:見た目は美しいが保管が大変。あと、浸漬(しんし)式は扱いが大変。
  • パーコレーターは原理が面白が、煮詰められてしまうため味は期待できない。
  • カフェプレスは浸漬(しんし)式のお手軽バージョン。よっぽど好きでない限り、手を出す必要はない。

というわけでドリップコーヒーを勧める

ドリップコーヒーは一番お手軽な淹れ方です。 挽かれたコーヒー豆を、紙のフィルダーに乗せ、お湯を上から注いで濾すだけです。 お湯の注ぎ方に多少の作法はあるけれども、最低限の原則さえ守れば合格点が簡単に取れます。

なお、類似の抽出方法にネルドリップがありますが、これはお勧めしません。管理の手間がかかります。布製なので毎回粗い、冷蔵庫に入れて毎日水を変えなければいけません。

ドリップコーヒーを極めるための一式

以下に挙げる機材を買うべし。

  • コーヒーミル(ボンマックコーヒーミル):昔はナイスカットミルだったんですが、後継機は高いですね。
  • 焙煎機(カフェプロ101):後述
  • 細いお湯が注げるケトル:直接火にかけず、沸いたお湯を入れて注ぐ用途に使うこと
  • 陶器製のドリッパー:使う前にお湯で温めること

合わせて10万円です。一見高いようですが、コーヒーを極めるには必須です。 ようやく今回の本題、「焙煎機を買うべき」についての話です。

合理性を追求したら焙煎機を購入することになった。

最近よく言われることですが、コーヒーは生鮮食品です。 2週間もすればイケてないコーヒーになってしまいます。 良く「酸味のあるコーヒーが苦手」というのは、純粋なコーヒーの酸味ではなく、コーヒーの腐敗した味です。おいしいわけがないです。 本来のコーヒーの酸味とは、もっとフルーティーで素敵なものです。

暴論ですが、ドリップコーヒーの味で一番大きな要素は鮮度です。 ここさえ押さえれば、あとは大概何とかなるものです。

ただし、新鮮なコーヒーを購入することは容易ではありません。 スーパーは論外。買うなら個人の自家焙煎店やスタバのようなところでしょうか。カルディなんかも手軽に買えますね。 ただ、店までいかないといけない、焙煎日が明記されていないことがある、値段がそこそこするなどなかなかお手軽にというわけにはいきません。

そこで焙煎機です。焙煎前の豆は日持ちします。2~3年くらいは大丈夫です。(保管場所は気にする必要がありますが。) いくつかのサイトでインターネットで通販しているので、お手軽に10キロ単位で大量購入することが可能です。

焙煎機は何が良いか

個人的にはダイニチのカフェプロ101一択です。値段は高いですが、それだけの価値があります。 (別にダイニチの回し者ではありません。)

ダイニチ コーヒー豆焙煎機 MR-101 (電気式)

ダイニチ コーヒー豆焙煎機 MR-101 (電気式)

主な特徴です。 - 電気焙煎式 - 焙煎から冷却までが全自動 - ステンレスボディ - 安全装置付き - 焙煎のパラメータが12種類設定可能 - 製品として10年以上の実績がある。 - 故障の修理にも対応可能

ガスで焙煎するサンプルロースターや、手編み焙煎、いるいるなどもありますが、合理性を追求する上ではあまりお勧めしません。 (私は5年ほどいるいるを使っていましたが、夏場は暑くて地獄です。)

メリット1: 耐久性に優れている

ヒーター自体の性能と、不要な個所に熱がこもらない排熱性能の両方が必要です。中には1年くらいで故障したとの報告が多数上がっている機種もあります。。(特に海外のおしゃれそうな外観のものに多い)

メリット2: 手間がかからない

注意点

  • 換気ができる環境で使うこと。 焙煎時には煙が出ます。焙煎を深くするほど煙の量が増えます。 キッチンの換気扇の下か、ベランダなどで使うことをお勧めします。

  • チャフは園芸用のふるいで落とすこと。

    焙煎後の豆はチャフと呼ばれる薄皮が発生します。(量は豆の種類による) 園芸用の古い(100均の園芸コーナーにあります。)を使うと楽に除去できます。

  • 豆は風通しの良い場所に置いておく 厳密な温度管理は必要ありません。ただし、水分を含んでいるので、密閉した場所に保存しておくとカビが発生します。

対費用効果の試算

結局、焙煎機に8万円を出せるかが問題です。 どれくらい飲むならば焙煎機を買う価値があるのかを調べてみましょう。

週に100g飲む場合と、200g飲む場合で試算しました。1日1杯飲むと、週100gになります。 豆の価格はピンキリなので、それぞれ比較的安めの豆で比較しました。 (店頭購入350円/100g、生豆75円/100g、生豆は焙煎により20%の重量減→90円/100gとして計算) 今回はミルも購入するとして、初期費用は10万円を計上しました。 結果として、

  • 200gなら4年で元が取れる
  • 100gなら8年で元が取れる

という結果になりました。

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焙煎機を買うか、店頭でコーヒー豆を買うかのコスト比較

ここには機械が故障した場合の費用は含んでいないです。また、店頭購入する際の交通費や時間ロスもコストには含んでいないです。

※ちなみに私の環境では10年ほど経過しています。相変わらず元気に動いています。非常に頑丈です。

ドリップコーヒーを入れるときのコツ

あまり書くことはないです。

新鮮な豆を、ナイスカットミルで均一な粒度で挽き、細いお湯で静かにドリップすれば大概うまくいきます。

ドリップの際のノウハウを記したサイトはたくさん見つかると思うので、興味があれば調べてみてください。

気を付けるべき事だけを挙げておきます。

  • 豆がすえた臭いになったらためらわず捨てる(2週間以降)
  • 豆の保存は常温でもOK。ただし挽いたらすぐに使うこと。
  • プロペラ式ミルは絶対に使わない(粒度がバラバラになる)
  • 欠点豆は気にしない。(取り除いたほうがいいが面倒)

一通り極めると、特別が日常になる。

本末転倒ですが、コーヒーを飲むことに特別な感情を抱くことがなくなります。おいしいコーヒーがあることが当たり前になってしまいます。

一方で、要求レベルは上がるので自宅以外のコーヒーを飲みたくなくなってきます。

幸せレベルが上がるのか下がるのかがわからなくなりますが、人生の中でおいしいコーヒーを飲む回数が上がることは間違いありません。

興味を持たれた方は試してみることをお勧めします。